【ソウル=木下大資】北朝鮮の核・ミサイル攻撃への対応を担う韓国軍の「戦略司令部」が1日、発足した。陸海空軍が持つ兵器を統合的に運用して抑止力を高めるため、尹錫悦(ユンソンニョル)政権が創設を目指していた。尹大統領は同日の「国軍の日」の式典で演説し、「北朝鮮の核と大量破壊兵器から国家と国民を守る核心部隊になる」と述べた。

1日、ソウル中心部で、市街地をパレードする韓国軍の地対空ミサイルを載せた車両など=木下大資撮影

 戦略司令部は、北朝鮮のミサイル発射の兆候を捉えた際の先制打撃とミサイル防衛、報復攻撃で構成する「韓国型3軸体系」を担う韓国軍の弾道ミサイルやステルス戦闘機、潜水艦などを統合指揮する。核戦力を持つ米軍の戦略司令部との連携を円滑にする狙いがある。

尹錫悦大統領(資料写真)

 ソウル近郊で開かれた式典で、尹氏は「もし核兵器の使用を企てれば、韓国軍と韓米同盟の圧倒的な対応に直面することになる。その日が北朝鮮の政権終末の日になる」と強調した。  ソウル中心市街では韓国軍によるパレードも昨年に続いて実施した。約3000人の兵士と戦車や装甲車など約80台が参加。3軸体系を担うミサイル「玄武」などを登場させたほか、戦闘機の編隊飛行も披露して国防力を誇示した。 

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