【北京=石井宏樹】中国で1日、建国記念日に当たる「国慶節」の大型連休が始まった。7日までの7日間で、中国政府は旅行などで延べ19億4000万人が国内外を移動し、1日当たりの平均では、新型コロナウイルス禍前の2019年を2割上回ると予測している。

◆旅行先は「日本」がもっとも人気

国慶節の連休初日の1日、多くの旅行者が行き交う北京駅=石井宏樹撮影

 オンライン旅行サービスの携程旅行網(シートリップ)によると、海外旅行先では日本がもっとも人気を集め、タイや韓国など近隣国が行き先の上位になっている。中国を訪れる外国人も前年同期の6割増になるとみられ、日本からの旅行者も多いという。  一方、在日本中国大使館は連休前に「現在の状況を考慮して、日本を訪れる予定の中国人に警戒意識を高め、旅行中の安全を確保するよう注意喚起する」と呼びかけた。9月に中国の日本人学校に通う児童が刺殺された事件を受けて日本の対中感情が悪化し、トラブルに巻き込まれることを警戒しているとみられる。

◆EV充電切れでの立ち往生も予想

 中国政府は今年の連休は全体の約8割に当たる延べ15億2600万人が自動車で移動すると予測。節約志向が高まっているためとみられる。深刻な渋滞に加えて、急速に普及が進む電気自動車(EV)の充電切れによる立ち往生などのトラブルが予想され、当局は充電設備の増設や最新型への置き換えを進めている。 

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