イスラエル軍とヒズボラの戦闘が激化

イスラエル軍は、イランが支援するレバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラとの戦闘を続けていて、3日も首都ベイルートを空爆したと発表しました。

標的はヒズボラの情報本部だったとしています。

レバノン政府は3日、イスラエル軍による空爆はベイルート郊外やレバノン南部を中心に過去2日間でおよそ110回に上ったと明らかにしました。

一方、ヒズボラもイスラエル北部にロケット弾による攻撃を行ったとしていて、イスラエル軍は、レバノン側から120発の飛しょう体が発射されたと発表しました。

また、レバノンのメディアは、イスラエル軍が地上侵攻に踏み切ったレバノン南部でヒズボラがイスラエル側の進軍を阻止し、大きな損失を与えているなどと伝えていて、こちらでも戦闘が激しくなっているもようです。

去年10月にパレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まって以来、ハマスに連帯を示すヒズボラとイスラエルの間の攻撃の応酬が続いていますが、レバノンの保健省は、これまでの死者は1974人に上り、このうち127人が子どもだと明らかにし、人道支援の必要性を訴えています。

UNHCR報道官「人道的な大惨事」

中東のレバノンでは9月下旬以降、イスラエル軍とイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間の戦闘が激化し、レバノン政府は2日、120万人近くが避難を余儀なくされていると発表しました。

こうした中、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所レバノン事務所のリサ・アブハレド報道官が3日、オンラインでNHKのインタビューに答えました。

アブハレド報道官は「これまでレバノン南部に限られていた戦闘の影響が国全体に広がり、数日間で避難民の数が倍増した。避難所が受け入れられる人数は限られ、ベイルートでは屋外で寝泊まりせざるをえない人が多くいる。これは人道的な大惨事といえる状況だ」と話しました。

また、今後、気温が下がるため屋外での暮らしは難しく、一刻も早くさらなる避難所の整備が必要だと話しました。

そのうえで、家を追われた人に配る、毛布やマットレスといった物資について「最悪のシナリオを考えて準備をしてきたものの、急増するニーズに対応できるだけの量がない」としています。

さらにレバノンには、内戦が10年以上続く隣国シリアから避難している人もいるとして「レバノンにいる人々はもう十分に苦しんでいる。苦しみや喪失の連鎖を断ち切るためには、政治的な解決がいますぐ必要だ」と述べ、人道状況を改善するためにも戦闘の停止が求められていると訴えました。

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