【ソウル=上野実輝彦】韓国の情報機関、国家情報院は18日、北朝鮮が特殊部隊約1500人をロシアに派遣するなど、ウクライナ侵攻への参戦を確認したと発表した。現在、ロシア軍部隊に駐留し、訓練が終わり次第、戦線に投入される見込みだとしている。

北朝鮮の国旗

 韓国紙・東亜日報などによると、北朝鮮が特殊部隊を含む計約1万2000人のロシア派兵を決めたことも国情院は確認している。実質的な軍事同盟関係を復活させたロシアへの北朝鮮の派兵は、軍事緊張をさらに高めることになる。  国情院によると、ロシア太平洋艦隊が今月8~13日の間、北朝鮮東部の清津(チョンジン)や咸興(ハムフン)などから、ロシア極東ウラジオストクへ北朝鮮の部隊を運んだ。近く、2回目の輸送も予定されているという。ロシア海軍の艦隊が北朝鮮に寄港したのは初めて。  派兵された部隊はロシアの軍服や銃器、偽造の身分証などを支給され、ロシア軍に偽装したとしている。

オンライン演説するウクライナのゼレンスキー大統領

◆「世界大戦への第一歩だ」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の記者会見で、北朝鮮が1万人規模のロシア派兵を準備し、一部の将校は既にウクライナに派遣されたと説明。「世界大戦への第一歩だ」と危機感を訴えていた。  ロシアと北朝鮮は今年6月の首脳会談で、有事の相互介入を盛り込んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結。ウクライナ侵攻の長期化を受け、ロシアは北朝鮮に軍事偵察衛星技術を支援する見返りに兵器提供を受けるなど、北朝鮮との軍事協力を強めてきた。 

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