救助隊のヘリコプターの下に広がっていたのは、一面が茶色く濁った冠水エリア。
水の高さは、救助に向かう隊員の腰の辺りにまで達し、その先では動けなくなったトラックが止まっているのが分かります。

激しい濁流が押し寄せる現場では、流れの中に取り残されていた人がギリギリのところで助け出されていました。

別の冠水現場でカメラが捉えたのは、下半身が水に浸かった状態で犬を抱きかかえる人の姿。

やがて救助隊によって、犬とともに上空のヘリコプターへとつり上げられました。

大規模な洪水に見舞われたのは、スペイン東部のバレンシア州。

29日からの記録的な豪雨により、スペイン有数のリゾート地が広い範囲で水に浸かったのです。

この豪雨により3つの州で95人が死亡。
場所によっては、わずか8時間で1年分に相当する雨が降りました。

店のある建物に水が流れ込み、命からがら避難したという男性。

バレンシアのパン店・店長:
すでに肩まで水が来ていたから、上に避難し、一晩中外を見張っていた。

無事に助かった男性は、女性と熱い抱擁を交わしていました。

100人近くが犠牲となった記録的豪雨。
地元メディアは“今世紀最大の洪水”と報じています。

バレンシア州にある大型家具店「イケア」で撮影された映像では、豪雨によってフロア一面が冠水しているのが分かります。
エスカレーターで降りるに降りられない人の姿も見られました。

ウクライナから来たという撮影者の女性。
駐車場の車は全て水に沈み、女性の車も水没。
子供を抱きながら歩いて家に帰ったといいます。

そして、スペインで活躍する久保建英選手が所属するレアル・ソシエダの試合も延期となりました。

雨は31日まで続くおそれがあることから、当局は警戒を呼びかけています。

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