【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前週末比304ドル14セント(0.69%)高の4万4293ドル13セントで終え、連日で最高値を更新した。米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にし、次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き相場を支えた。ダウ平均の上げ幅は500ドル近くに達する場面があった。
米メディアによれば、トランプ氏は激戦7州で全勝した。大統領選と同時に実施された米連邦議会選挙では共和党が上院で多数派となった。共和党が下院でも過半数を獲得できれば、新政権が経済政策を進めやすくなるとの見方が根強い。「米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けていることも重なり、投資家心理が強気に傾いている」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との指摘があった。
11日はベテランズデーで債券・外為市場が休場だった。商いが普段よりも少なく、株式相場の値動きが大きくなりやすい面があった。主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は伸び悩んだ。13日に10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、FRBの利下げペースを探る上で内容を見極めたいとの雰囲気があった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、台湾の半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)が下落した。米商務省がTSMCに対して、中国の顧客への先端半導体の出荷を止めるように命じたと伝わった。幅広い半導体関連銘柄に売りが波及し、ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが下落した。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%下落した。
そのほかの個別銘柄では、アナリストが目標株価を引き上げたセールスフォースの上昇が目立った。ゴールドマン・サックスやハネウェル・インターナショナルも上昇した。半面、メルクやボーイング、アップルが下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。前週末比11.986ポイント(0.06%)高の1万9298.763で終え、連日で最高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げたテスラが上昇した。一方、マイクロン・テクノロジーやアプライドマテリアルズなど半導体関連株が下げた。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も5日続伸し、前週末比5.81ポイント(0.09%)高の6001.35で終えた。連日で最高値を更新し、終値で初めて6000台に乗せた。
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