【ワシントン=赤木俊介】米労働省が14日発表した10月の卸売物価指数(PPI)は前月比の上昇率(季節調整済み)が0.2%となった。ダウ・ジョーンズ集計の市場予測と一致した。上昇率は4月以降、0.5%を下回っており、高インフレは収束に向かいつつあるとみられる。
品目別でみると、10月はサービスの価格が前月から0.3%上昇した。資産運用サービスの手数料が3.6%上昇した影響が大きい。機械・車両の卸売りサービス、旅客航空サービス、コンピューター関連製品の小売りサービスなどの手数料も上昇した。一方、アパレル小売りサービスの手数料は前月から3.7%低下した。
製品の価格は前月から0.1%上昇した。炭素鋼スクラップの価格が8.4%上昇し、全体をけん引した。肉製品、軽油、生鮮・乾燥野菜、油糧種子などの価格も上昇した。一方、液化石油ガス(LPガス)の価格は18.1%下がった。鶏卵や鶏肉加工品の価格も下がった。
PPIの前年同月比(季節調整前)の上昇率は2.4%だった。前月の上昇率から0.5ポイント伸びた。変動の激しいエネルギー・食品・物流を除いた価格指数は前年同月比で3.5%上昇した。
調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「月初めのハリケーンや港湾ストは米事業の投入コストにほとんど影響しなかった」とみる。PPIにインフレ再燃の気配は見られないため「米連邦準備理事会(FRB)は引き続き労働市場を支えることに注力できる」と指摘した。
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