【北京=上阪欣史】中国を訪問中の関西財界代表団は27日、北京市内で記者会見を開いた。関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、「中国企業の旺盛な意欲、スピーディーな事業判断を考えると、今後も協業を維持することが欠かせない」と述べ、関西と中国との間の経済交流をさらに強化する考えを示した。
関西財界が大規模な訪中団を組むのは2012年以来12年ぶり。24〜28日の5日間の滞在中、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)への協力を呼びかけるとともに、中国政財界の要人らと会って経済面での友好関係を確認することを目的としていた。
松本氏は政府要人と相次ぎ会談が実現したことなどを踏まえ「中国の真摯な姿勢を感じることができた。率直な意見交換ができ点数をつけるとすれば満点だ」と述べた。
代表団は27日の会見前に経済・金融政策を統括する何立峰(ハァ・リーファン)副首相と人民大会堂で会談し、貿易や投資のあり方について意見交換した。
25日には松本氏が関西財界を代表して欧米のグローバル企業の経営者とともに李強(リー・チャン)首相と面談した。「中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会」の開幕にあわせた行事の一環で、松本氏が李首相に万博の意義を直接説明する機会があったという。
大阪商工会議所の鳥井信吾会頭(サントリーホールディングス副会長)も「またとないタイミングで実力者と会話できた。中国側には真摯に最大限の対応をしてもらった」と評価した。
トランプ次期米大統領は対中輸入関税を引き上げる方針を明らかにしている。米中対立がさらに激化し世界経済の分断が深まるとの見方が強まる中、中国側も代表団を手厚く迎えることで対日重視の姿勢を示した格好だ。
代表団は27日、北京市内のホテルで現地の旅行業者ら約100人を集めた大阪万博のプロモーションイベントも開催した。万博会場のシンボルと位置づける「大屋根リング」や出展パビリオン、見どころなどを紹介。関西には人気の観光地も多いこともアピールした。
参加した大手旅行会社の中国旅行社総社の担当者は「中国では10年に上海万博が開かれたこともあり、健康をテーマにしたパビリオンなどへの関心は高い。年明けから旅行商品を企画していく」と話した。一方で中国での大阪万博の知名度は高いといえず、さらなるPRが必要との声もあった。
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