【ロンドン共同】英下院は29日、イングランドとウェールズで終末期の成人患者が薬物の投与などによる「安楽死」を選ぶ権利を認める法案を採決し、賛成多数で可決した。今後、下院の委員会が法案を精査し、2回目の採決も通過すれば上院でも審理する。世論調査では国民の7割以上が法案を支持している。  「終末期成人(人生の終わり)」法案は、末期疾患と診断され余命6カ月未満の成人が、医師2人と裁判官の承認を得た上で自ら命を終わらせることを認める。法案を提出した与党労働党のキム・レッドビーター議員は、苦痛に耐え続けるのではなく尊厳を保ち最期を迎える権利があり、選択肢が必要だと主張する。  調査会社ユーガブの最新の世論調査では73%が法案を支持し、不支持は13%だった。2015年に下院で同様の法案が審議された際は、否決された。  反対派は、安楽死が合法化されれば、介護や経済面の負担を他人に強いたくない高齢者や障害者に圧力をかけ、死を選ばせてしまうことにつながると懸念する。

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