シリア国内の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、先月27日以降、一部の反政府勢力がアサド政権が支配してきた第2の都市、北部のアレッポに向けて大規模な攻撃を行い、政府機関を含む市内の大部分を制圧したということです。

一方、シリア軍も30日、「反撃に備えるため、部隊の再配置を行った」などと撤退を認めた上で、奪還に向けて準備を進めているとしています。

シリア人権監視団によりますと、これまでにアレッポなどで民間人を含む310人以上が死亡したということです。

シリアでは2011年、「アラブの春」と呼ばれる民主化運動が波及する形で反政府デモが各地に広がり、これをアサド政権が弾圧したことで激しい内戦に発展しました。

アレッポは反政府勢力の最大の拠点でしたが、2016年にロシアの支援を受けたアサド政権側が完全に制圧していました。

今回の反政府勢力による大規模攻撃を受けて、ロシアは反政府勢力の拠点を空爆したほか、アサド政権側に追加の軍事支援を約束したと報じられています。

アメリカのCNNテレビは、「反政府勢力は奇襲攻撃を始め、長年、ほとんどこう着していた紛争を再燃させた」と伝えていて、戦闘の拡大や避難民の増加など、情勢の悪化が懸念されます。

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