韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜遅く、1987年の民主化以降、初となる「非常戒厳」を宣言し、「一切の政治活動を禁じる」などと発表しましたが、4日午前、非常戒厳は解除されました。

混乱が続くソウルから、FNNソウル支局・柳谷圭亮記者が中継でお伝えします。

国会議事堂前には、3日夜から非常戒厳の宣言解除を求める大勢の市民が集まり、夜が明けた今も多くの市民が残って尹大統領を批判する声を上げています。

尹大統領は3日夜遅く、緊急の談話を出し、「野党が国政をまひさせている」として「非常戒厳」を宣言しました。

尹錫悦大統領:
私はこの非常戒厳を通じて、亡国の奈落に落ちている自由大韓民国を再建し守り抜く。

宣言を受け、戒厳司令部は一切の政治活動を禁止した他、メディアは司令部の統制を受けるとし、違反した際は令状なしに逮捕・捜索ができるなどと発表しました。

尹大統領は、非常戒厳で予算案への反対などを訴える野党に対抗する考えでしたが、4日未明、国会は非常戒厳の解除を求める決議案を可決しました。

その後、尹大統領も宣言解除の考えを示し、閣議で正式に解除が決まりました。

一方、韓国の日本大使館は「不測の事態が生じる可能性は否定できない」として、注意を呼び掛けています。

今回の事態を受け、与党や市民からも大統領の責任を追及する声が上がっていて、政治的な混乱は続きそうです。

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