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こうした動きについて、ゴラン高原でシリアの人々が多く暮らすマジダルシャムスのアブサレフ町長はNHKの取材に対し、「私たちは国交のない2つの国の間にいる。イスラエルのユダヤ人だけでなくドルーズ派の人々にも平等に予算が配分されることが重要だ」と話していました。

ゴラン高原とは

シリアのゴラン高原は1967年の第3次中東戦争の結果、イスラエルが占領し、1981年に一方的に併合しました。

現在のゴラン高原の人口の半分以上は入植したユダヤ人ですが、併合された後もシリア系住民およそ2万5000人が暮らしています。

シリア国内では少数派のイスラム教ドルーズ派の人々でその多くはイスラエル国籍の取得を拒んで暮らしています。

NHKが2012年、独裁的なアサド政権の時代にゴラン高原の町、マジダルシャムスを取材したときは、イスラエルの占領下でもシリア国旗を掲げてアサド政権を支持する姿勢を示していました。

ところが、アサド政権の崩壊からおよそ10日後の今月19日、NHKが再び町を訪ねたところ、変化が起きていました。

広場に掲げられる旗は、アサド政権を崩壊させたシリア解放機構が新たな国旗とする旗に切り替わっていたのです。

町の人はいま

町で生まれ育ったハラビさん(54)は、「アサドが逃げて政権が崩壊したという連絡を聞き、うれしさのあまり泣き、2日間、眠れませんでした。シリアの新たな政権がイスラエルとの間で真の平和を実現してくれることを願っています」と話していました。

一方で、懐疑的な見方を示す人もいます。

シリアのテレビ局の仕事をしてきたという、ジャーナリストのファルハトさん(52)は、「現在の暫定政権を主導するのはアルカイダ系の過激派でシリアの人々にとって非常に危険な存在だと思う。このまま彼らが政権にとどまれば再び内戦になるような事態が起きかねない」と述べシリア情勢が安定に向かうか注視していると話していました。

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