第76回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は19日、群馬県の上毛新聞敷島球場(前橋市)などで2回戦4試合があった。32年ぶりの出場となった宇都宮商は、今春の甲子園を制した健大高崎(群馬)と対戦。健闘も及ばず10―0のコールドで敗れ、初戦で姿を消した。
大会には1都7県の代表17校(栃木からは2校)が出場。初戦を突破した白鷗大足利は20日、準々決勝で東海大相模(神奈川)と対戦する。
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栃木県大会で私学の強豪を次々に破り、関東大会出場を果たした宇都宮商だが、今春の甲子園優勝校の高い壁に阻まれた。主将の飯村允喜(3年)は「相手の圧力にのみ込まれた。県大会とは違う雰囲気だった」と唇をかんだ。
初回、先頭の浅見碧人(3年)が内野安打で出塁。盗塁も決め、流れをつくるかに見えた。
「普段ならそこから、もうひとつつながる展開があった。こちらも仕掛けたが、上手にはまらなかった」。山口晃弘監督も、これまでとは違う力の差を感じていた。
一回には、エースの山崎翔大(3年)が、四つの四死球を出すなどし、6点を奪われた。
実は山崎は日本一の打線を相手に、「自分の求めている球を投げたい」とぎりぎりの勝負を挑んでいた。ところが、相手は誘い球に決して手を出さず、落ち着いてすべての球を見極めた。
「山崎には相当の悔しさがあると思う。違いは経験値。成長の糧になれば」(山口監督)
それでもチームは最後まで気持ちを崩さなかった。山崎は二回、先頭打者に本塁打を浴びたが、後続を3人で抑えるなど、持ち前の気持ちの強さを見せつけた。2番手の藤本琉衣(2年)も直球で三振を奪い、最終五回には石川晴翔(3年)が2死から二塁打を放った。
「相手を大きく見すぎたが、自信を持っていけば強豪校にも通用すると思えた」と手応えを語る飯村。山崎も「競っていた部分もなくはない。そこは自信にして、もっと成長できる」と話す。
健大高崎と再戦するには甲子園に出るしかない。山崎は試合後、こう力を込めた。「夏は勝ちます、絶対に」(高橋淳)
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