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■リミッターなしの跳躍力

 陸上・女子走幅跳の秦澄美鈴選手(28)。去年、6メートル97のビッグジャンプで17年ぶりに日本記録を更新。オリンピック参加標準記録も突破しました。 秦選手
「(6メートル97は)想定してなかったのですごく驚きは強かったです。あっ!跳んじゃったって思って(笑)」

 秦選手のエールポイントは…。

秦選手
「私のエールポイントは、テイクオフです」

 テイクオフとは助走から踏切までの動作のこと。このテイクオフを多くの名ジャンパーを育ててきた坂井裕司コーチはこう評します。

坂井コーチ
「スポーツカーのようなバネ。見たことないような…すごいんです。外国人選手が幅跳びの踏み切りをやる。それ以上だった」 秦選手
「上に跳び上がることは、体に染みついてるというか。助走を付けて勢い付けてきたものを、そのままちゃんと良い角度で飛び出せるっていうのが、自分のすごく良いところかなって」

 陸上を始めた高校時代、この跳躍力を生かして走高跳の選手として活躍していた秦選手。しかし、大学卒業後に走幅跳に転向。一体、なぜなのでしょうか?

秦選手
「走高跳ってそこまで全力で走ることがないので、持て余してる感というか。走幅跳ってバーがないじゃないですか。自分が飛んだところまでが記録になるので、走高跳だったらバーがあって高さが決められているので、そのバーの高さでどれだけ高く跳んでも、その時バーを落とさなかっただけが記録になるので。『せっかくこんなに跳んでいるのに』って、もやもやを感じている部分もあって」

 制限なく、もっと全力で跳びたい。競技が変わり、リミッターが外れたテイクオフで目指すのは初のオリンピック。そして日本人が不可能と言われていた7メートル台です。

秦選手
「『五輪!五輪!』って思わずに自分の力をちゃんと出せるように準備して、五輪で結果が出たっていう風にしていきたいなって思っています」

(「報道ステーション」2024年5月30日放送分より)

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