パリ五輪本大会のメンバー選考前、最後の合宿で初めて招集された。

 サッカー男子23歳以下(U23)日本代表の米国遠征に参加している20歳のMF佐野航大(こうだい)(NECナイメヘン)は「思った通り、レベルが高い。オリンピックを戦うチーム、という感じがします」とうれしそうに語る。

 2023年、MF松木玖生(FC東京)らとともに20歳以下のワールドカップに出場した。その年の夏にJ2ファジアーノ岡山から、オランダのNECに移籍。欧州視察中に来た大岩剛監督から、「我々のグループに入ってほしい」と声をかけられた。「ずっとここ(パリ五輪世代)に入ることを目指していた」

 オランダでは本職のボランチだけでなく、左ウィングなども経験した。今回の活動では、インサイドハーフと呼ばれる攻撃的な中盤のポジションに入って練習を重ねる。

 「いろんなポジションができるのが僕の強み」。18人しかメンバーに入れない五輪では、複数のポジションをこなせる長所はアピールポイントになる。

 3歳上の兄、MF佐野海舟(鹿島アントラーズ)は、年齢制限のないA代表に選ばれた経験を持つ。幼い頃、自宅近くの公園で2人で1対1をしていたという。「1回も勝てなかったけど、ボールに対する執着心が磨かれた」。その兄と2人でA代表のピッチに立つことも夢見ている。

 「パリ五輪も、その先のA代表も意識してやっていきたい」

 最後のチャンスでメンバー入りをつかみとる。(カンザスシティー=照屋健)

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