(6日、第106回全国高校野球選手権福岡大会3回戦 大牟田1―6福岡工大城東)
大胆な内角攻めと、高い制球力。大牟田の境利月(りつ)投手(3年)は大会注目の好投手。チームを夏の甲子園初出場に導くつもりだった。
昨夏も2年生エースとしてマウンドに立った。快進撃の原動力となり、優勝校の九州国際大付と準決勝で対戦。投げ合った同級生の相手エースが甲子園で戦う姿に、「次は絶対、自分があの舞台に」。ダッシュを繰り返して下半身を強化し、制球力に磨きをかけた。今春の県大会で準優勝するなどチーム力も向上し、優勝候補として臨んだ今大会。5回コールド勝ちした初戦は、無安打無失点と力をみせた。
だが、この日は「持ち味のカーブやカットの変化球が曲がりすぎた」。5四死球で走者を背負うと、痛打された。2ストライクまで追い込んでも、相手は食らいついてきた。
それでも、仲間の励ましを力に、8回158球を完投。「悔しいけど、最高の仲間とやりきれた」。試合後、言葉少なにそう語った後、つぶやいた。「調子は悪くなかったのに。野球って甘くないな」(西岡矩毅)
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