(第106回全国高校野球選手権愛知大会1回戦、国府4―1幸田)

 「自分たちの分まで勝ち進んでくれ」「任せてくれ」。試合終了直後、3点差で敗れた幸田のエース柴田竜弥選手(3年)が、国府のエース栗下湊士選手(同)に声をかけた。2人は、力強く握手を交わした。

 岡崎市の少年野球クラブで2人はともに汗を流した。小学生の頃は三塁手だった柴田選手にとって、元チームメートとの投げ合いは初めて。14奪三振で1失点の栗下選手に対し、柴田選手は6奪三振で4失点。「本当にすごく楽しかった。自分の成長を見せられてよかった」。敗れても柴田選手は笑顔だった。

 両校監督も「同級生」。国府の野球部で3年間をともに過ごした。幸田の田中悠也監督は、「遠慮なく思い切り戦えたが、同級生同士で本当は絶対に負けたくなかった」と明かした。(戸村登)

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