(7日、第106回全国高校野球選手権岐阜大会1回戦、岐阜各務野5―3市岐阜商)

 七回まで被安打2・無失点に抑えていた市岐阜商のエース・平塚大記投手(3年)に魔のイニングが待っていた。

 3点リードの八回。1死から4四球と暴投、適時打を含む3安打を許し、一挙5失点。そのままチームは敗れた。試合後、「みんなに迷惑をかけて悔しい」と号泣した。

 191センチの長身。制球力が課題だったが、春の県大会では優勝候補の中京と岐阜第一を相手に完投勝ちし、2試合で1失点。県内屈指の投手として注目が高まった。

 「七回までは100点だった」と振り返る。140キロを超す速球に加えてカーブでカウントを整え、空振りを次々と奪った。

 だが八回、カーブを封印。「自分の武器は速球とスライダー。ピンチには得意の球で勝負したかった」。岐阜各務野の4番・後藤進次郎選手(3年)に投じたそのスライダーが甘く入り、勝ち越しの右前適時打を浴びた。

 北岡剛監督は「もっといい舞台で投げるべき投手でした。監督として責任を感じる」と悔しさをにじませた。

 昨年準優勝の市岐阜商と平塚投手の夏が終わった。プロ志望の平塚投手は「足りない部分がある。高いレベルでやるには練習しかない。秋のドラフトに向けて頑張って練習を続けます」と前を向いた。(高原敦)

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