(10日、全国高校野球選手権長野大会2回戦、高遠11―0須坂東・北部・坂城・長野高専)

 初戦の緊張からか、試合前、仲間の動きがどこかぎこちない。「絶対に出塁して、自分が勢いをつける」。高遠の1番打者、大下亮真はそう心に決めて、最初の打席に入った。

 「とにかくミートだ」。3球目の直球を捉えた。打球は中堅手を越える。軽快にダイヤモンドを駆け抜けて、悠々とホームイン。先頭打者ランニング本塁打となった。

 「めちゃくちゃ気持ちよかった」。満面の笑みでベンチの仲間と抱き合った。勢いに乗ったチームは一回だけで計6安打を集めて5得点。公式戦初本塁打が、快勝を呼び込んだ。(菅沼遼)

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