(13日、第106回全国高校野球選手権山梨大会1回戦 甲陵・塩山・上野原1―12韮崎工)

 3校でつくる連合チーム「甲陵・塩山・上野原」の左翼手・立川諒太郎選手(2年)は一回表、先頭打者が放った飛球の落下点に素早く入り、確実に捕球した。チームはこの回を三者凡退に抑え、その裏、先制点を挙げた。

 甲陵で唯一の選手だ。中学では弓道部だったが、大リーグが好きで高校から野球を始めた。

 入部した昨春、マネジャーを含めて部員は6人いたというが、ほかの部員は卒業したりやめたりして、この春までにいなくなった。いまは女子マネジャー(1年)と2人だけだ。

 平日の練習は甲陵の東條隆平監督とマンツーマン。厳しい言葉も受けるが、「やってきたことを大会で全部発揮する姿を見せて、新たな部員を集めたい」と食らいついてきた。

 「野球への熱量は図抜けている」と東條監督。地理的に離れた2校との練習は週1回程度だが、連合チームの土谷周平監督(塩山)も「どんよくに努力をする。会う度に成長を感じた」と評価する。

 この日、3打席で3三振だったが、守備では9安打を含む10本の打球を無失策でさばいた。春の大会後に一塁手から左翼手に転向したが、「落ちついて全力を尽くせた」と練習の成果を実感した。

 「どんどんうまくなって、もっといいプレーをして、来年こそは勝ちたい」。大差でのコールド負けを悔しがりながら、次への決意を語った。(豊平森)

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