(16日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会4回戦 慶応4―1横浜商大)
曇り空の下、2校が整列してあいさつをすると、慶応の3選手が塁に散っていった。継続試合のため、16日の第2試合で、三回表に慶応が1死満塁とした場面から試合を再開した。
「いきなり1アウト満塁は人生初。でも、自分の中では強気でした」
横浜商大のエース左腕、磯貝駿乃介(3年)は、立ち上がりをこう振り返る。
昨秋、今春ともに3回戦で敗れた。「勝てる投手になる」を目標にメンタルを鍛え、つらい走りこみも乗り越えた。最後の夏は、実力校の星槎国際湘南に逆転勝ちし、3回戦を突破した。
最速144キロの直球と変化球を織り交ぜ、甲子園優勝校を、前日の記録と合わせて10奪三振、被安打5に抑えた。だが、四球で押し出し2失点するなど、1―4で敗れた。「無駄な四球がなければ、勝てなくはない試合だった」
慶応の主将、加藤右悟(3年)は「一つの山場だと思っていた試合。(磯貝は)全ての球がよかった」と語った。
横浜商大唯一の得点は、磯貝の内野安打から。本塁を踏み、一矢報いた。「やるべきことはやった上で勝てなかった。大学で4年間やって、プロをめざしたい」(手代木慶)
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