(20日、第106回全国高校野球選手権山形大会3回戦、九里学園0―1山形商)
身長165センチの体をめいっぱい使い、キレのある球を投げ込む。六回まで一人の走者も許さない圧巻の投球を見せた。
山形商の水戸部羽空(はく)投手(3年)は、小学校のときは投手、中学では捕手。高校入学後も捕手で、2年の春に投手に転向した。捕手の経験をいかし、打者心理を考えて投球する。
この日は三回にスクイズで1点先制。「完全試合」が続いていた七回、相手の先頭打者が三塁手の失策で出塁し、暴投、内野安打で無死一、三塁のピンチを迎えた。
三塁手は先発で唯一の2年生。「三塁の経験があまりなく、ミスは仕方ない。不安にさせないよう、笑顔でいました」
続く3番打者は直球で空振り三振。4番打者は外角の直球で狙い通りの併殺に打ち取り、一気に相手に向かいそうな流れを断ち切った。
「エースの意地を見せて最初から飛ばし、全部抑えるぞという気持ちで投げました」。内角の直球と外角のスライダーが良く、9回を投げて10奪三振、被安打3の完封劇だった。
「自分たちはダークホース。シード校を全部倒すぞ、という勢いで勝っていきたい」(坂田達郎)
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