（22日、全国高校野球選手権宮崎大会準々決勝　宮崎商3―1宮崎日大）身長180センチの上半身を腰のあたりまで折り曲げ、長い腕をしならせる。宮崎日大の日高穣投手（3年）は、シード宮崎北を破った3回戦に続き、宮崎商を苦しめた。

　初回を無失点で切り抜けると、すぐに味方が先制。横手から胸元を突く直球にカットボールやチェンジアップを織り交ぜ、「ゼロに抑えて仲間が1点ずつとる。いいムードでいきたかった」。

　高校で本格的に横手投げにしたが、昨秋は上背を生かそうと上手投げに変えた。ただ、チームは2年前の1年生大会で優勝した後、なかなか勝ち進めなかった。自分も、上手投げにしても球速は伸びず、速球派と変化球投手がいるチーム事情を考え「変則投手がいた方がいい」と冬に再び横手投げに戻した。

　走り込みなど下半身強化の手応えを感じたのは今年のゴールデンウィークごろ。「指にボールがかかってまっすぐの勢いが良くなった」

　この日は二、三回を続けて三者凡退に打ち取った。福島大芽捕手（同）は「打者の嫌なコースを研究して、徹底的についた」と振り返る。四回に同点にされたが、追加点を許さなかった。八回、高めに浮いたチェンジアップを左翼フェンスに当たる二塁打とされて交代するまで、試合をつくった。畑野弘規監督は「１球１球丁寧に、という指示通り投げてくれた」と語った。

　終盤に守備の乱れなどから勝ち越されて敗れた。日高投手は「直球の走りも良くて、カットも良かったけど、宮商打線は簡単に三振してはくれなかった」。満足はできなかった。（中島健）

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