史上初のきょうだいでの大会連覇に向けフランスへ
日本選手団の本隊はフランスに到着
メダル公開 エッフェル塔の一部を使用 パリらしいデザインに
IOCバッハ会長は大会の意義を強調
パリ郊外では専用の「オリンピックレーン」が運用開始
金メダルの確定日は?競技日程一覧
柔道の日本代表は、男子66キロ級の阿部一二三選手と女子52キロ級に出場する妹の詩選手が23日午前、羽田空港からフランスに向けて出発。2人は空港で取材に応じました。
兄の一二三選手「体の仕上がりや気持ちの面もとてもいい状態で、パリオリンピックで優勝することだけ考えてやってきた。緊張も不安もたくさんあるし、いろんな思いはあるがすべてを背負って最高のパフォーマンスをしたい。東京大会のときよりもプレッシャーはあると思うが、お互いを信じて最後まで戦いたい」
妹の詩選手「家族なので心強く戦えるし誰よりも強い絆を持っている。歴史の1ページに名を刻めるような戦いをしたいので、最後の最後まで諦めずに戦い抜きたい」
パリオリンピックの柔道は大会2日目の7月27日から始まり、2人が出場する男子66キロ級と女子52キロ級は28日に行われます。
日本選手団の本隊は22日、陸上や自転車など7競技48人の選手やスタッフが、パリ郊外のシャルル・ドゴール空港に到着しました。到着後、自転車のBMXフリースタイルでメダル獲得が期待される中村輪夢選手は「やれることはやったので、あとは本番でどんな走りができるか自分でも楽しみだ。今回こそメダルをとれるように頑張りたい」と意気込みを述べました。
そして、尾縣貢団長は今月26日に開幕する大会に向けて「私たちが掲げている”一歩踏み出す勇気”を全面に出して多くの方に応援してもらえるようなプレーをしてほしい」と選手たちへの期待を口にしました。一方、19歳にもかかわらず、喫煙と飲酒をしていたとしてパリオリンピックの出場を辞退した体操女子の宮田笙子選手については「チームとしてもすごくつらいことであり、悲しいことだ。体操女子の4名の選手の必要なサポートを行い、メンタルケアなども行いたい」と出場する選手へのサポートを続けることを強調しました。そして「宮田選手にはもう一度頑張ってもらい、再びオリンピックを目指してほしいという気持ちが一番です」と沈痛な表情で話しました。
また、大会で選手に授与されるメダルが報道陣に公開されました。22日、オリンピックに関連する映像を制作し配信するOBS・オリンピック放送サービスの担当者が放送メディアの取材拠点、IBC=国際放送センターにあるNHKのスタジオを訪れました。スタジオには黒い箱に入った金、銀、銅のメダルと聖火リレーのトーチが運び込まれ担当者が慎重に取り出して披露していました。メダルは直径8.5センチ、厚さは9ミリあまりで、重さは金メダルが529グラム銀メダルが525グラム銅メダルが455グラムで大会エンブレムなどが刻まれた六角形の金属が中央部分にあしらわれた斬新なデザインになっています。
この金属は、パリを象徴するエッフェル塔の鉄製の柱の一部で、これまでの改修工事などで取りのぞかれ、保管されていたものから使われているということです。また、メダルの裏側にはギリシャ神話の勝利の女神、ニケとともに、エッフェル塔がデザインされていて、随所にパリらしさが詰まっています。メダルはパリオリンピックで選手たちに授与されます。
開幕が迫るパリオリンピックを前にIOC=国際オリンピック委員会の総会が現地パリで22日、始まりました。バッハ会長やフランスのマクロン大統領などが出席したセレモニーは、フランス国内のアーティストたちによるパフォーマンスを交え、華やかな雰囲気で行われました。この中でバッハ会長は「世界中で起きているあまりにも多くの戦争や紛争など、人々を引き裂く困難は数え上げればきりがない。だからこそ人々は希望や団結の象徴として、パリオリンピックを待ち望んでいる。選手たちは、オリンピックというひとつ屋根の下で、いかに平和的に共存するかを私たちに示してくれるだろう」とあいさつし、大会の意義を強調しました。また、マクロン大統領は「新型コロナウイルス、戦争、インフレなど多くの困難があるなかでもこの大会を開くために関わったすべての人に感謝したい。イスラエルやパレスチナ、ウクライナの選手たちも集まるこの大会が平和や希望の時となるようにしたい。世界中の世代や国、男女の違いを乗り越える架け橋となりうることをうれしく思う」と歓迎の意を示しました。パリオリンピックに合わせたIOCの総会では、今後の大会の開催地選考や新たに設けるコンピューターゲームを競技として行う『eスポーツ』の大会などについて議論が行われる予定です。
パリ近郊の高速道路などでは選手や大会関係者の車が走行する専用レーンの運用が始まり、パリ市が、競技会場の周辺にレンタル自転車の拠点を設置するなど、懸念されていた交通渋滞への対策が進められています。パリは頻繁に交通渋滞が起きる都市として知られていますが、パリオリンピックに向けては選手や大会関係者などの車がスムーズに移動するために『オリンピックレーン』と呼ばれる専用レーンの運用が15日から始まりました。パリを囲む環状線などおよそ185キロにわたって設けられているもので、路面上には専用レーンを示す文字が記され、事前に許可を得ていない車が走行すると135ユーロ、日本円でおよそ2万3000円の罰金が科せられます。22日、パリ郊外の競技会場、スタッド・ド・フランスそばの高速道路では朝の通勤時間帯に一般レーンで渋滞が見られたものの、オリンピックレーンは関係車両やタクシーなどが順調に走行していました。
一方、オリンピック期間中、観光客の増加や競技会場周辺の交通規制で渋滞が懸念されるパリ市の中心部では、市などが対策の一環として自転車の利用を促しています。大会に向けては14の競技会場周辺に大規模な拠点を設け、あわせて3000台のレンタル自転車を準備します。ふだんから通勤にレンタル自転車を利用しているというパリ市の女性は「大会にあわせて拠点を増やすのはいいアイデアだと思う。レンタル自転車は使い方もシンプルで使いやすい。パリ市内で一番早く移動できるのが自転車だと思う」と話していました。
競技日程を一覧にまとめました。※開催日は現地時間です。
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