(25日、第106回全国高校野球選手権鹿児島大会準決勝、鹿児島城西0―2樟南)

 九回裏2死。走者はいない。樟南に2点をリードされた鹿児島城西は、代打に主将西隆之介選手(3年)を起用した。準々決勝の鶴丸戦、2回戦の加世田戦でも代打で出て計2打数2安打1打点。最後の望みを託された。

 4球目を振り抜くと、センターへの大きな当たりに。しかし中堅手が追いつき、打球はグラブに収まった。鹿児島城西の夏が終わった。

 昨秋の県大会では8強だった。今年1月には、2018年からチームを率いた佐々木誠監督(58)に代わり、道端俊輔監督(31)が就任した。智弁和歌山時代に5季連続で甲子園に出場し、高校日本代表に選ばれた経歴も持つ。

 しかし、監督が代わって初めての公式戦となった春の県大会は初戦敗退。NHK旗でも初戦で敗れた。西選手は「チームの雰囲気はよくなかった」と振り返る。

 夏に向けた変革の一環で6月、新主将に指名された。「戸惑いもあったけど、とにかくチームをまとめなければ」と腹をくくった。「前のキャプテンが支えてくれたおかげでやってこられた」

 チームに一体感が生まれ、ノーシードから圧倒的な試合運びで4強に進んだ。「短期間ですごく成長できたと思う。だけど、目標は優勝だったので」と悔しさをにじませた。(宮田富士男)

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