(28日、第106回全国高校野球選手権愛媛大会準決勝 聖カタリナ13―0済美=7回コールド)

 これまでの4試合で27得点の聖カタリナ打線に対し、済美の田坂僚馬監督は試合前、4失点以内に抑えたいと考えていた。しかし、その見通しは序盤で崩れた。

 先発のエース梅原朋貴投手(2年)は一回、先頭打者を打ちとった後、死球を挟んで5連打を浴びて4点を失った。二回は四死球を足がかりに犠飛で、「リミット」を超える5点目を奪われた。

 試合後、梅原投手は「どの球種でもどのコースでも全力で振ってくるので、投げづらかった」と吐露。直球よりも変化球を多用したが、「逃げずにもっと強気でいけていたら」と悔やんだ。

 打線は四回まで投げた相手エースに、140キロ近い速球で押され、追い込まれた後の鋭いフォークを捉えられなかった。後続の投手にもてこずり、三塁を1度しか踏めなかった。

 聖カタリナ対策として、相手エースがフォークを投げるタイミングで走者を動かしたり、速球に強い相手打線に緩いカーブが得意な投手をぶつけたりする策を用意していた。しかし、序盤の大量失点で、効果的に実行できなかった。

 昨秋の県大会は、1回戦で帝京五に敗れた。冬の鍛錬を経て、今春の県大会では準優勝と飛躍した。第3シードとして臨んだ今大会は4強まで勝ち進んだ。

 最後の打者となり、一塁後方でうずくまった小笠原晴人主将(3年)は「練習量は愛媛県で一番と自信を持っていた。けれど、夏の一発勝負というところで、弱さが出たと思います」と話した。

 梅原投手は「自分が投げたらこのチームは絶対に勝つ、と信頼されるピッチャーになりたい」と、雪辱を誓った。(中川壮)

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