【詳しく】サッカー男子 日本 スペインに敗れ準決勝進出ならず
“経験不足”の声もひたむきに連係を磨く
大会前は、新型コロナウイルスの影響で思うように国際試合を組めず「ほかの世代に比べて圧倒的に経験が足りない」と心配する声が大きかったパリ世代の選手たち。
釜本邦茂さんらを擁して銅メダルを獲得した1968年のメキシコ大会以来のメダル獲得へ。
大岩剛監督が就任してからおよそ2年半、地道に連係プレーを磨き「個」で戦うのではなく、統率された集団として世界の強豪に対抗するというコンセプトでチームを仕上げてきました。
そして、パリオリンピックのアジア最終予選を兼ねた23歳以下のアジアカップで優勝。お互いの性格や特長をよく知る選手たちは、勝利を重ねるたびに結束を強めていきました。
今大会予選リーグの第2戦、第3戦で見せた諦めない、ひたむきなプレーはその集大成。
「56年ぶりのメダル」という目標が近くにあることを想像させました。
痛感した「個」の差
しかし、過去日本が何度も跳ね返されてきたスペインとの準々決勝は、世界トップとの「個」の差を痛感させられた試合となりました。
前回の東京大会は、延長までもつれた末に敗れましたが、今大会は、序盤から相手の力強さと技術の正確さを見せつけられました。
前半開始早々、持ち味の連係にミスが出たところを突かれ、フェルミン・ロペス選手に強烈なミドルシュートを決められて大会を通じて初めての失点を喫すると、得意のサイドからの仕掛けも堅い守備を攻め崩せず、前半30分以上経過してもシュートを1本も打てない展開となりました。
そして前半終了間際、細谷真大選手が得意のポストプレーから振り向きざまにシュートを打ち、同点かと思われた場面では、細谷選手の右足がオフサイドラインをわずかに越えていたとしてゴールが取り消され、それ以降チャンスをことごとく決めきれないシーンが続きました。
試合を通してのボール保持率はほぼ互角だったものの、日本の9本のシュートのうちゴールの枠内に飛んだのは、わずか3本で勝負どころでの決定力の差が0対3という結果にあらわれました。
試合終了のホイッスルとともにその場にうずくまったキャプテンの藤田譲瑠チマ選手とゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手。そのまましばらく動くことができませんでした。
インタビューを受けるミックスゾーンで小久保選手は「このチームがまさかここで終わると思っていなかった」とことばを絞り出しました。
細谷選手も「自分が決めていればというシーンが何度もあった」と悔しさをにじませました。
次の合言葉は「年齢制限のない代表で雪辱を」
ヨーロッパの強豪クラブでしのぎを削る才能豊かな選手を擁するスペインに対し、個々のプレーで力の差を感じた選手たち。
それでもキャプテンの藤田選手は「みんながチームのことを愛して、チームのために戦える集団だった。スペインのような強いチームに負けないように個人としても強くなって成長したい」と、ヨーロッパのクラブでさらなるステップアップを誓いました。
パリ世代の選手たちがこれから目指すのは、2年後のワールドカップ。
合言葉も「年齢制限のない代表でスペインに雪辱を果たす」に変わりました。
フランスの地で味わった悔しさを糧に、選手たちが日本のサッカー界にどのような未来をもたらすのか、新たな挑戦に向けた歩みは始まっています。
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