【詳しくはこちら】サッカー女子 なでしこジャパン 準々決勝で敗退 アメリカ戦

満身創痍 次々アクシデントが襲う

大会開幕前からアクシデント続きだった「なでしこジャパン」。

発端は、金沢市で行われた直前の強化試合でした。

北川ひかる選手

地元出身の左サイドバック北川ひかる選手が試合中の接触プレーで右足をけが。

さらにフランス入りしてからもミッドフィルダー林穂乃香選手がけがをして初戦はメンバーから外れました。

さらに初戦のスペイン戦で、右サイドバックの清水梨紗選手が右ひざを痛めてチームからの離脱を余儀なくされました。

さらに、若手のエース候補として躍動していた藤野あおば選手も昨シーズンけがをした古傷の痛みが再発し、第2戦、第3戦とメンバー外になりました。

苦しい台所事情にも“全員で泥臭く”

けが人が相次ぐ中で選手たちは慣れないポジションでのプレーを余儀なくされました。

本来、攻撃的なポジションの宮澤ひなた選手や清家貴子選手は、守備が求められるポジションでもプレーしました。

それでも選手たちは起用に応えて予選リーグを突破。

守屋都弥選手はバックアップメンバーから

中2日で迎えた準々決勝、アメリカ戦も体格で上回る相手に対し、1人1人が泥臭く体を張ったプレーを見せました。

当初バックアップメンバーだった守屋都弥選手は、サイドを駆け上がってたびたびチャンスに絡み、けがから復帰した北川選手や藤野選手は万全な状態ではない中終盤まで攻守で奮闘しました。

準々決勝 アメリカ戦 延長にゴール奪われる

予選リーグから4試合、日本は、かつてオリンピックで4回金メダルに輝いた強豪、アメリカを相手に最後の最後で力尽きました。

アメリカ戦のあと、池田太監督は「過密日程と、けが人や体調不良者、いろんな要素がある中で選手たちはしっかりとファイティングポーズを取ってくれた」と奮闘をたたえました。

司令塔の長谷川唯選手は「チームとして難しかったのは間違いないが、全員の力を見せられた。日本だからこそやりきれたと思う」と話しました。

万全で戦ってほしかった

なでしこジャパンの取材を通じて私が何度となく聞いた「女子サッカーの未来のために」というフレーズ。

“日本の女子サッカーの行く末は自分たちしだいで決まる”

国際大会で結果を残せない時期も彼女たちはその思いを胸に戦っていました。

だからこそパリでメダルに届かないという現実に直面し、人目をはばからず涙したのだと思います。

私はその姿をそばで見て「万全で戦ってほしかった」と思わざるを得ませんでした。

キャプテンの熊谷紗希選手は「多くの人に注目してもらえたからこそ、もう1つ上に行きたかった。もっともっと世界で戦うなでしこジャパンを見せられるように、これからも女子サッカーの未来のために全力を尽くしたい」と決意を込めて話しました。

なでしこたちから“勇気と感動”

それでも今大会、なでしこジャパンの戦いぶりは、見る人に勇気と感動を与えたことは間違いないと思います。

奇跡の大逆転で金メダルを獲得した体操男子団体のメンバー、谷川航選手は、金メダルを取ったあとのインタビューで、熊谷選手のペナルティーキックと谷川萌々子選手のロングシュートで劇的な逆転勝ちを収めたなでしこジャパンのブラジル戦を見て「諦めないことの大切さを学んだ」と感謝の思いを口にしています。

アクシデントが続いても諦めずにメダルを目指して走り続けたなでしこジャパン。

彼女たちにとっては悔しいパリ大会であっても、その姿は間違いなく日本の女子サッカーの未来につながっていくと、私は確信しています。

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