(20日、プロ野球 広島東洋カープ8―3読売ジャイアンツ)

 2位巨人との直接対決で首位広島が積極性と切り替えの早さを見せた。

 四回無死一、二塁。9番森下暢仁がバントの構えからヒッティングに。遊撃への内野安打で塁が埋まる。2死となり、3番小園海斗は初球から2球続けてフォークを空振りし、早々に追い込まれた。

 そこで慌てない。「この軌道は振らないように。しっかりと冷静になれた」。巨人の右腕・山崎伊織の変化球を慎重に見極める。四球を選び、押しだしで1点を奪った。

 なお、満塁で末包昇大。初回に先制2点適時二塁打を放っていた4番は「ゾノ(小園)が粘ってつないでくれて、もう1点欲しいところだったので必死に食らいついていった」。1ボールからの2球目。甘く入ってきた変化球を逃さなかった。左翼へ走者一掃の適時二塁打。5番坂倉将吾も適時打で続き、この回5点を挙げて試合の流れを決めた。

 広島の打率は前日までリーグで4番目の2割3分8厘。ただ、勝負どころでしぶとく、ときに大胆な攻撃で白星を積み重ねてきた。この日も八回には先発全員安打を記録し、ダメ押しの1点をもぎ取った。

 今季の東京ドームで最後となる3連戦の初戦をものにし、巨人とのゲーム差を2に広げた。新井貴浩監督は「本当の勝負はまだ先」。末包は「勝負は来月」。足元を見つめ、一試合一試合、大事に戦うのもまた、このチームの強さだ。(堤之剛)

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