2大会連続団体戦でメダルを獲得したパリオリンピック™から3か月。卓球日本代表の平野美宇(24、木下グループ)がパリ五輪後の心境と福岡で開幕したWTTファイナルズに向けて単独インタビューに応じた。

Q:改めてパリオリンピック振り返ってどんな舞台でしたか
平野:
シングルス(代表)に出場できるように頑張ってきたので、その舞台で戦えて良かったです。

Q:シングルスと団体戦に出場して印象的だったシーンは
平野:
負けてしまったけれどシン・ユビン選手(韓国)とのベスト4決定戦(準々決勝)の試合は今年の中でかなり印象に残った試合でした。(前半はゲームカウント)0対3で負けていたのですが、諦めずに3対3まで持っていけたのは、同じ負けでも印象に残ったと思います。

Q:パリが終わってからご自身へのご褒美は?
平野:
(大会後も)全然休みが無いので・・・あまり無いです。

【パリ五輪後の海外遠征スケジュール】
9月:WTTチャンピオンズ・マカオ大会
   中国スマッシュ
10月:アジア選手権
   WTTチャンピオンズ・モンペリエ大会
11月:WTTチャンピオンズ・フランクフルト大会

   WTTファイナルズ福岡

Q:五輪後、ラケットを握らない日は
平野:
帰ってきて1週間くらいはあったのですが、すぐ(ラケットを)握りました。

Q:その1週間は息抜きできましたか
平野:
JOCの(行事)とか、(総理官邸で)岸田総理大臣に報告したり、(時差ぼけを治す為)寝ていたら1週間が終わりました。

Q:卓球選手は休みでもラケットを握りたくてウズウズするか、忘れられるものですか
平野:
パリ五輪前の代表選考期間は握らないと不安ですが、大会が終わってからは余り握りたくなかったです。(それでも大会が続くので)握らないといけなかった。休みが欲しいです。

Q:落ち着ける時期がまとまってないですね
平野:そうです。

Q:その中でモチベーションが下がる時もありますか
平野:
オリンピック(に向けて)ずっと同じモチベーションは難しいです。

Q:五輪後の気持ちの切り替えはどうしていますか
平野:
もうやって行くしかないので、目の前の1試合に集中して頑張るのみかなと思っています。

Q:まだ24歳の若さ、それでも卓球界ではベテランですね
平野:
(年齢的に)早くから試合出て14、15歳で優勝しました。卓球の良さは年齢とか体格とか関係なく勝つことができます。そういうものが卓球の良さで(相手に)向かっていける試合が増えました。だんだん大人の卓球にしていかないといけないです。

Q:気持ちの面で次のステップというところはありますか
平野:
気持ちを次のステップに持っていかないと、いつまでも向かっていく気持ちは中々できないので、向かっていく中でどうやって勝つかが大事だと思います。

【ITTF世界ランキング シングルス女子の日本選手上位(11月19日現在)】 
5位早田ひな、6位張本美和、8位大藤沙月、10位伊藤美誠、13位平野美宇

Q:一気に力をつけている後輩選手もいると思いますが、張本美和選手はどんな存在ですか
平野:
16歳ですが体も大きくて強い、すごく才能があると思うし見習うところもあります。自分には自分の良さもあるので、逆に違うところで良さを持てるように考えるきっかけになります。

Q:張本選手とは年齢の差もなく教えあう関係ですか
平野:教える事はないです。

Q:一緒に戦っていくという意識ですか
平野:そういう感じですね。

Q:世界ランキングが一気に上がった大藤(おうどう)沙月選手(20)の存在はどう思いますか
平野:
オリンピックの選考会の時に対戦しています。その時はほとんど負けていなかった。7回か8回くらい勝っていました。サーブが特徴なんですけど、サーブ以外はまだまだという感じだったのですが、この2年間で本当に力をつけて次に向けて成長している感じがします。若い選手は伸びるのが早いなと思う気持ちと、そういう選手に対抗できるようにしないと、どんどん取り残されてしまいます。常に成長することが大事だと改めて思っています。

シーズンも最終戦、世界ランクトップ16人しか出場できないWTTファイナルズ福岡。まさに世界一決定戦に挑む平野

平野:
去年は(世界ランク17位で)ぎりぎり出れなかった大会があるので、「ファイナルを頑張って」という声も頂きました。ファンの皆さんが来れる日本で開催するのでいいプレーが出来るように頑張っていきたいです。

Q:次のオリンピックへの想いは
平野:
まだ、終わったばかりなのでこうしたいというのはないですが、一つ一つやっていればチャンスもあると思うので少しでも若い選手に負けずについて行って、できるだけ長くトップの選手にいられるように努力していきたいです。

Q:これからどんな選手になっていきたいですか
平野:
常に新しい事を求められていると思うので、(他の選手)の先を行けるような卓球スタイルを作り上げることが大事だと思います。常に時代についていける選手にならなければいけないです。

Q:現段階で4年後のロサンゼルスオリンピックは目指したいですか
平野:
目指すか目指さないかと言われれば目指すと思いますが、まだ早いので、まずは目の前の事をする事が一番大事かなと思います。

Q:WTTファイナルではどんな試合をしたいですか
平野:
ファイナルではトップ16の選手が出ています。私がランキング13位なので、ほとんどがランキング上位の選手です。本当に向かっていく気持ちで1回戦からやりたいですし、沢山の方が応援してくれると実感したので少しでもいいプレーをお見せしたいです。

Q:応援の声は力になりますか
平野:
本当に力になります。(普段は)SNSで応援して頂くのですが、会場で応援して頂くとさらに頑張ろうと思います。

【WTTファイナルズ2024福岡】
日程:11月20日(水)~24日(日)
会場:北九州市立総合体育館
主な出場選手:張本智和、早田ひな、張本美和、大藤沙月、伊藤美誠、平野美宇

■平野美宇(ひらの・みう)
2000年4月14日生まれ、24歳。山梨県出身。木下グループ所属。Tリーグは木下アビエル神奈川所属。右シェークドライブ型、主な戦績:2021東京オリンピック™ 女子団体:銀メダル、2024パリオリンピック™女子団体銀メダル、世界ランキング13位(11/19現在)

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