今シーズン「フィギュアスケートグランプリシリーズ2024」でトップ6に入った選手たちが出場する「グランプリファイナル」が日本時間の7日に開幕します。1年2カ月後に行われるミラノ・コルティナオリンピックにもかかわってくる大事な大会を、松岡修造さんが現地のフランスで取材しています。
■松岡修造さんが公式練習を取材
戦いの舞台となるフランス・グルノーブルにいる松岡さんは、グランプリファイナルの公式練習を取材。その様子を次のように話します。
松岡さん「男子ですが、グランプリファイナルは本番の会場で初めての公式練習が行われています。日本からは鍵山優真選手(21)、佐藤駿選手(20)の2人がいます。リンクをしっかり確かめている状況です。鍵山選手は、なんといっても1年2カ月後にはオリンピックがやってきます。鍵山選手は、そこへの思いが誰よりも強い。そのためにも、このグランプリファイナルで、どんな結果と演技ができるのか。彼が一番大事にしているパートだと思います」
■グランプリファイナルで、マリニン選手と直接対決
松岡修造さんと鍵山優真選手 この記事の写真 鍵山選手「ミラノ・コルティナ五輪のプレシーズンなので、自分のスケートをアピールしたいというところで、強い闘志が生まれてくるのかなと思う。もっともっと『自分はこんなもんじゃないぞ』っていう」 松岡さん
「まだもっといく?] 鍵山選手
「もっといきます!」 写真:AP/アフロ
2022年の北京オリンピックで銀メダルを獲得して以来、この2年間、鍵山選手が常に闘志を燃やしてきた相手が、4回転アクセルを跳ぶ、アメリカのイリア・マリニン選手(20)です。
マリニン選手の演技を見た鍵山選手は… 鍵山選手「マリニン選手の演技を見て『うわ!もう無敵だ…』と思っていた」 松岡さん
「これは、かなわないと思っちゃった?」 鍵山選手
「でも希望を出さないと、今後勝っていけないので。地道な階段ですけど、少しずつやっていきたい」
マリニン選手と戦うために、今シーズンの鍵山選手はフリーで4回転ジャンプを4本投入。これは、自身最高難度の構成です。
さらに、先月のグランプリシリーズ初戦の公式練習で鍵山選手が挑んだのは、難度の高い4回転ルッツ。しかし、試合では使う予定のないジャンプです。
2戦目、フィンランド大会の公式練習でも4回転ルッツ。試合直前にもかかわらず、なぜ使わないジャンプを跳ぶのでしょうか?
試合直前にもかかわらず、使わないジャンプを跳ぶ理由 鍵山選手「今後のためを考えると、次は4回転ルッツを入れると思う。入れる意欲をどんどん見せていって、ジャッジやお客さんに攻める意欲をアピールしていきたい。ジャッジやお客さんの評価も上ると思うので、どんどん攻めていけたらいいなと思っています」
たとえ今シーズンは試合で使わないジャンプでも、今、見せることこそが重要。オリンピックを見据える鍵山選手。グランプリファイナルで、マリニン選手と直接対決です。
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■本番リンクで練習…素晴らしいコンビネーションを披露■本番リンクで練習…素晴らしいコンビネーションを披露
実は約3時間前にフランスに到着したばかりの鍵山選手。空港から直行して、本番リンクでの練習に臨みました。
松岡さん「どこでジャンプをすればいいものか。氷、会場の大きさもしっかり確認しています」
まずは、得意の4回転サルコウ。
松岡さん「この4回転一つひとつ、どれだけ安心して跳べるのかカギになります。それによって、4回転ルッツをオリンピックに向けて一つ増やしたいと言っていました」
さらに、素晴らしい4トウループと3トウループのコンビネーションを披露します。
松岡さん「素晴らしいコンビネーションです。4回転ジャンプをフリーでは4回入れていく。徐々に4回転ジャンプを増やしていく方向性が去年までありましたが、今年は違います。とにかくチャレンジしていくんだと。誰へのアピールかというと審判へ、そして“壁”であるマリニン選手に対してです。ある意味プレッシャーを与えていく。オリピックに向けての戦が、すでに始まっている気がします」
鍵山選手にとって闘志を見せるこの舞台。ショートプログラムは日本時間の7日(土)に行われます。
(「報道ステーション」2024年12月4日放送分より)
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