アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦が開始されてから28日で1か月が経過した。ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶホルムズ海峡は事実上の封鎖状態が続いており、世界のエネルギー供給に深刻な影響を及ぼしている。日本にとって、同海峡は原油輸入量の約8割が通過する生命線であり、エネルギー安全保障の根幹が揺らいでいる。

アメリカ政府でエネルギー政策を担当した元高官はNHKの取材に対し、「これはエネルギー供給における史上最大の混乱だ」と強い危機感を示した。同時に、事実上封鎖されているホルムズ海峡の一刻も早い開放が、トランプ大統領にとって最優先課題であるべきだと指摘した。
米中央軍は28日、海兵隊を乗せた強襲揚陸艦が管轄地域に到着したと発表し、イランへの軍事的圧力をさらに強めている。ルビオ国務長官は軍事作戦が「数週間で終わる」との見方を示したが、イエメンの反政府勢力フーシ派がイスラエルへの攻撃を実施するなど、情勢はむしろ拡大の様相を呈している。

日本政府は原油調達先の多角化を急いでいる。中東依存度を下げるため、アメリカ、カナダ、ノルウェーなど非中東産油国からの輸入拡大を模索する一方、国家石油備蓄の放出も視野に入れた対応を進めている。また、再生可能エネルギーの導入加速や原子力発電所の再稼働議論にも影響を与えている。

エネルギー価格の高騰は日本経済に多大な負担を強いている。原油価格はバレル当たり100ドルを超える水準で推移しており、ガソリン価格や電気料金の上昇が家計を圧迫している。G7外相会合でもイラン情勢が主要議題となり、共同声明で「民間人への攻撃の即時停止」を求めたが、早期解決の見通しは立っていない。日本のエネルギー安全保障の再構築が急務となっている。
出典:NHK、G7外相会合共同声明、資源エネルギー庁資料をもとに編集部が構成