2026年3月27日、ニューヨーク株式市場ではイランをめぐる軍事情勢の長期化懸念が広がり、ダウ平均株価が前日比790ドル余り下落する大幅安となった。同日のニューヨーク外国為替市場でも円安ドル高が進行し、円相場は一時1ドル=160円台まで値下がりした。これはおよそ1年8か月ぶりの円安水準であり、日本経済に深刻な影響を及ぼしている。
今回の市場動揺の背景には、アメリカとイスラエルによるイランへの軍事作戦が開始から1か月を迎えたことがある。イスラエルがイランの原子力施設への攻撃を示唆する中、ホルムズ海峡が事実上封鎖状態にあり、世界のエネルギー供給に深刻な支障が生じている。アメリカのルビオ国務長官は「作戦は数週間で終わる」との見方を示したが、市場は懐疑的な反応を見せた。

日本への影響は多方面にわたる。原油の中東依存度が高い日本にとって、ホルムズ海峡の封鎖は直接的な打撃となっている。政府は過去最大規模の石油備蓄放出を決定するとともに、原油調達先の多角化を急いでいる。加えて、ガソリンなどへの激変緩和措置も実施し、国民生活への影響を最小限に抑える方針だ。
エネルギー価格の高騰は家計にも直撃している。4月からは政府の電気・ガス料金への補助が終了するため、さらなる値上がりが確実視されている。海外ではすでにガソリン価格が急騰しており、香港では1リットル650円にまで上昇した。日本でもこうした事態が現実味を帯びてきた。
G7外相会合では、イラン情勢に関する共同声明が発表され、民間人や民間インフラへの攻撃の即時停止が求められた。茂木外務大臣もG7の場で日本の立場を説明し、ホルムズ海峡の安全な航行の回復に向けた外交努力を続ける考えを示した。

専門家は、イラン情勢の長期化が続けば、日本経済はスタグフレーション(物価上昇と景気後退の同時進行)に陥るリスクがあると指摘する。原油高による輸入コスト増大と円安による物価上昇が重なり、消費者の購買力が低下する恐れがある。
一方、政府は原油調達先の多角化や再生可能エネルギーへの転換加速を通じて、中東依存からの脱却を目指す方針だ。市場関係者は今後の焦点として、ホルムズ海峡の早期開放の実現と、日銀の金融政策対応を注視している。日本経済は試練の時を迎えており、政府と日銀の迅速かつ的確な対応が求められている。

(出典:NHKニュース、各種報道を基にNipponTime編集部が独自整合)