年度末の3月31日が目前に迫る中、2026年度の新年度予算案をめぐる与野党の攻防が激化している。29日放送のNHK「日曜討論」に出演した与野党の参議院幹部らは、それぞれの立場から予算案の審議について激しい議論を交わした。

与党側は「国民生活への影響を最小限に抑えるため、新年度予算案の一日も早い成立を目指す」との姿勢を示した。一方、野党側は「年度内の成立はすでに困難な情勢」との認識を示し、「拙速な採決ではなく、国会での審議を十分に充実させるべきだ」と主張。予算委員会での質疑時間の確保を強く求めた。
こうした事態を受け、政府は27日に総額約8兆5600億円の暫定予算案を閣議決定した。暫定予算は、新年度予算が年度内に成立しない場合に、必要最低限の支出を賄うための措置だ。社会保障費や地方交付税、防衛費など、国民生活に直結する経費が中心となっている。暫定予算案は来週中にも国会で成立する見通しだ。

財政面での懸念材料も浮上している。片山さつき財務大臣は27日、イラン情勢の影響による原油価格の高騰について「新たな支援策が必要な場合は予備費で対応する」との考えを明らかにした。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、エネルギー価格の上昇が家計や企業活動に与える影響は深刻であり、追加的な財政出動の可能性も指摘されている。

日本経済は、円安の進行、物価の上昇、地政学リスクの高まりという三重の課題に直面している。ニューヨーク外国為替市場では1ドル=160円台のドル高・円安が続いており、輸入物価の上昇圧力は今後も続くと見られる。新年度予算案の審議の行方は、2026年度の日本経済の方向性を左右する重要な分岐点となりそうだ。
出典:NHK、財務省発表資料をもとに編集部が構成