あいさつする菅義偉前首相=東京都千代田区の参院議員会館で2024年6月12日午後、佐久間一輝撮影

 菅義偉前首相は12日、東京都内で講演し、タクシー事業者以外の参入を巡って議論が続く「日本版ライドシェア」について、「いろんな主体が参画できるようにすべきだ。ライドシェア新法が必要になってくる」と述べ、全面解禁に向けた新法の必要性を訴えた。

 菅氏は、昨年のインバウンド(訪日外国人客)数が年間約2500万人だったことに触れ「今年は1000万人増えると言われている。移動の足の確保は1000万人分が新たに発生する」と指摘。ライドシェアの拡大について「タクシーに限定していては受け入れられなくなる。地方の足はどうしても車が中心。そのためにも(IT事業者などの参入も認める)ライドシェア新法が欠かせない」と強調した。インバウンド需要の増加で「タクシーと共存共栄もできる。網羅的なライドシェアが日本に必要な時は、もう来ている」とも語った。

 日本版ライドシェアは、一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ有償サービス。4月から東京23区や京都市などの一部地域で始まったが、運営主体はタクシー会社限定で、政府は全面解禁を含めた法整備の議論を進めている。菅氏は昨夏の講演でライドシェア解禁論の口火を切り、いち早く規制緩和を求めていた。【佐久間一輝】

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