16日の東京株式市場でアシックス株が続伸し、一時、前週末比194円(8%)高の2758円をつけて上場来高値を更新した。時価総額が初めて2兆円を突破する場面もあった。スニーカーやランニングシューズが好調で、12日に2024年12月期の業績予想を上方修正し、好感した買いが集まった。
24年12月期の連結純利益は前期比64%増の580億円と従来予想を220億円上回る見通し。事前の市場予想であるQUICKコンセンサスは485億円だった。「ほとんどのアナリストは上方修正を予想していたが、想定を大幅に上回る数字が出てきた」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長)という。
前週末にはアシックスが保有する政策保有株をすべて売却し、併せて銀行などがアシックス株を売り出すことも発表した。三菱UFJ銀行など15社が最大でアシックス株の発行済み株式の11%にあたる8500万3900株を売り出す。16日のアシックス株は午後に入り上げ幅を圧縮し、終値は61円(2%)高の2625円、時価総額は1兆9936億円だった。「短期的に需給が悪化するとの懸念もある」(有沢氏)という。
アシックスは高価格帯のシューズに注力する方針で、サプライチェーン(供給網)や在庫の適正化に向けた取り組みも進めている。野村証券の小林大輝アナリストは15日付のリポートで「中期的にも構造的な利益改善が続く可能性がある」と指摘した。
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