西日本鉄道は20日、車輪と車軸からなる「輪軸」の組み立て工程で、車軸を車輪にはめ込む際の「圧入力値」が日本産業規格(JIS)の基準を逸脱していたものが15本あったと発表した。天神大牟田線と貝塚線の全輪軸のうち、1%にあたった。車輪間隔の確認と、超音波による傷の検査を実施した結果、安全性に問題はなかったという。

JR貨物のデータ改ざん問題を受けて、西鉄は九州運輸局の指示で全車両(294両)を緊急点検した。改ざんは確認されなかった。点検結果を同局に報告し、基準値を逸脱した輪軸が見つかった車両についてもこれまで通り使用するとしている。

西鉄の担当者によると、車軸を車輪にはめ込む際の圧力が高すぎると車軸に傷が生じるおそれがあり、低すぎると車輪が抜ける可能性があるという。

基準値を逸脱した15本の輪軸のうち、6本が下限を下回っていた。基準値は車軸の大きさを基に算出しており、計算を誤った結果、値を低く設定していたという。

西鉄は基準値の上限を超過した輪軸について、車輪間隔の確認や超音波による傷の検査で問題なければ通常通り使用できると規定していた。上限を超過した9本は、この検査をクリアしていた。

同社は「基準値や社内規定の見直しなどを進めながら、さらなる安全確保に努める」としている。

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