小売店の商品棚を想定したセットで、遠隔から方向感を伝える実証実験の様子(9日、東京都港区)

NTTコミュニケーションズは9日、遠隔から振動で方向感を伝える実証実験を始めたと発表した。村田製作所子会社で触覚技術を開発するミライセンス(横浜市)の技術を使う。離島や地方など人手が不足する地域で、目の不自由な人の買い物の補助などに活用できるとみている。

引っ張られたり押されたりする感覚を体験できるミライセンスの端末を使う。小売店の商品棚を想定した場面では、端末を手に持った指示役が商品を指し示すと、もう一つの端末を持つ人に振動が伝わって手が誘導される仕組みだ。

NTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用することで、疑似的に再現した20キロメートル離れた環境でも、遅延なく動きや感触を伝えられることを確認した。遠隔手術への応用なども視野に入れている。

10月10〜11日に東京都港区で開かれる「ドコモビジネスフォーラム24」で実証実験のデモンストレーションをする。福祉や小売企業など社会実装に向けたパートナーを募る。担当者は「映像と音声だけでは難しい感覚を伝え、新たなコミュニケーションにつなげたい」と話した。

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