東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)は29日、クルーズ船事業の発着拠点として東京港を使うと発表した。クルーズ船は2028年度の就航を目指しており、東京国際クルーズターミナル(東京・江東)を主要な発着拠点にする。1回あたり4000人も集めるだけに、発着拠点に関心が集まっていた。
同日、東京都とクルーズ船事業で連携協定を結んだと発表した。小池百合子都知事は「クルーズ観光が都民により身近になり、臨海副都心地域への経済効果も期待できる」と述べた。
OLCの高野由美子会長兼最高経営責任者(CEO)は「TDRで培った経験やノウハウを基に、日本におけるファミリーエンターテインメントクルーズという新たな分野を切り開く」と話した。
OLCが新たに建造する14万トン級のクルーズ船は東京港船籍となる。OLCと東京都はクルーズ船事業を軸に、東京臨海エリアのにぎわいづくりやブランドイメージの向上などで連携する。
JR東日本は31年度に羽田空港と東京都心を結ぶ羽田空港アクセス線の新線の開業を目指している。羽田空港と新木場駅(東京・江東)を乗り換えなしで結ぶため、クルーズとテーマパークを相互集客できるほか、インバウンド(訪日外国人)需要の取り込みもできる。
OLCは売上高の9割超をテーマパークやホテルといった舞浜地区での収益に頼る。新エリアを開業したが猛暑などの影響を受け、24年4〜9月期の入園者数は前年同期比で2%減った。舞浜頼みの事業からの脱皮が課題となっている。
OLCはクルーズ船に約3300億円を投じる。28年度の就航から数年後には年間40万人、売上高1000億円の達成を目指す。テーマパーク、ホテルに次ぐ事業に育てる。
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