帝人は19日、欧州の在宅医療事業から撤退すると発表した。2025年3月をメドにスペイン製薬大手のエステベと折半出資する合弁会社の持ち株すべてを日本酸素ホールディングス(HD)傘下の企業に売却する。売却額は6200万ユーロ(約99億円)。保有株式の売却益約70億円を25年3月期(国際会計基準)の連結業績の金融収益として計上する。売却益は発表済みの業績予想にすでに織り込み済みだ。

合弁会社のエステベ・テイジン・ヘルスケアの持ち株を日本酸素HD傘下のスペイン・オキシメサに売却する。合弁相手のエステベが売却の意向を示したのが契機となった。エステベの顧客基盤などを活用していたため、帝人単独での事業継続は難しいと判断した。帝人は今後、同業の買収などを通じて、欧州で再参入の機会を模索する。

帝人は在宅医療事業を注力事業の1つに位置づけており、日本と韓国に拠点を持つ。17年には医療費の抑制につながる医療保険制度改革法(オバマケア)を受け、米国事業から撤退している。

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