日本製鉄は米USスチールの買収計画を巡り、中国事業に関する一部報道を否定する声明を出した

日本製鉄は6日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、「中国事業拠点が新疆ウイグル自治区に存在するとの一部報道があったが、そのような事実は一切ない」などとする内容を盛り込んだ声明を発表した。米議員が日鉄の中国事業を問題視する書簡をバイデン大統領宛てに出したことについて、一部メディアが書簡の中身を事実のように報じた点について反論した。

民主党のシェロッド・ブラウン上院議員が4日までに大統領宛てに経済安全保障の観点から日鉄の中国事業を問題視する書簡を提出。日鉄が1978年に中国初の製鉄所の建設に合意したことに言及し、政府ともつながりを持っていることを憂慮すべきだと主張した。これを受けて一部のメディアが6日までに書簡の中身が事実かのように報じていた。

日鉄は同議員の書簡を巡り、問い合わせのあった報道各社に対して反論する声明を公表していた。その後も書簡の内容が事実であるかのような報道が散見されたことから、改めて声明として6日に発表した。

日鉄は中国で鉄鋼大手、中国宝武鋼鉄集団との合弁企業を持つなど事業展開している。日鉄の中国事業は鉄鋼業の「下工程」にとどまり、付加価値の多くを占める高炉や電炉といった設備は保有していない。

日鉄は6日の声明で「自動車用鋼板を製造しているが、中国から米国への輸出は行っていない。中国事業の割合はわずかだ」などとした。「中国政府の軍需産業戦略を支援しているとの一部報道もあったが、そのような事実は一切ない」とも主張した。

日鉄は「今後も虚偽の報道や中傷に対して毅然とした対応をとる。強い決意のもと、買収を完了させる」とした。

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