米西部カリフォルニア州の議員は21日、同州や米グーグルなどが報道機関を支援する基金の立ち上げで合意したと発表した。ロサンゼルス・タイムズ紙によると、合意を受け、同州で審議していた大手IT(情報技術)企業に記事の利用料の支払いを求める法案は撤回される。
バフィー・ウィックス州議員が明らかにした。今後5年間で総額およそ2億5000万ドル(360億円)を拠出し、報道関係者の人工知能(AI)活用などにつなげる。同様の取り組みは米国で初という。
ウィックス氏は声明で「カリフォルニア州が民主主義におけるジャーナリズムの重大な役割を支持し続けるのは極めて重要だ」と強調した。
カリフォルニア州は報道機関の記事を利用するグーグルやメタなどのIT大手に対し、広告収入の一部を「ジャーナリズム利用料」として報道機関へ支払うように義務付ける「ジャーナリズム保護法案」を審議していた。
グーグルは4月、同州の報道機関の記事を検索サービスなどで非表示にすることで対応すると発表、反発する姿勢を鮮明にした。
北米では無料で閲覧できるオンラインニュースの普及で、地方紙を中心にメディアの廃業が相次ぐ。信頼できる情報源がなくなれば偽ニュースの拡散を助長するなど民主主義の基盤が揺るぎかねないという議論がある。
カナダでは2023年6月にオンラインニュース法が成立し、報道機関が対価を求めてIT企業と団体交渉することを認めた。グーグルは当初、記事の表示をやめると発表して対抗したが、その後カナダ政府と対価の支払いで合意した。
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