タイのタクシン元首相㊧、カンボジアのフン・セン前首相

 【バンコク=藤川大樹】クーデターで実権を握った国軍と抵抗勢力の戦闘が長期化するミャンマー情勢を巡り、カンボジアのフン・セン前首相やタイのタクシン元首相ら東南アジア諸国連合(ASEAN)の実力者が「仲介」に意欲を見せている。ただ、国軍側は消極的で、成果があるかどうかは不透明だ。  ミャンマーからの情報などによると、フン・セン氏は7日、国軍のミンアウンフライン総司令官とオンラインで会談し、拘束中の民主化指導者アウンサンスーチー氏との面会を求めた。  国軍のゾーミントゥン報道官は8日、スーチー氏との面会は「総選挙を実施し、連邦制民主主義国家を樹立するという目的遂行の妨げになる」などと述べ、要請を拒否した。  一方、タクシン氏は2月の仮釈放以降、関係者と非公式に協議を重ねている。3~4月にはタイ北部チェンマイを訪れ、民主派が樹立した挙国一致政府(NUG)や複数の少数民族武装勢力の代表者と面会。4月29日~5月2日のタイ南部プーケット訪問時には、マレーシアのアンワル首相と会い、マレー系のイスラム教徒が多く暮らすタイの「深南部」情勢に加え、ミャンマー情勢も協議したという。  ゾーミントゥン氏はタクシン氏と抵抗勢力側の面会について「あってはならないことだ」と批判した。 

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