(6日、第106回全国高校野球選手権西東京大会)
開会式が行われた神宮のグラウンド。青鳥特別支援の12人の選手たちは力強く行進した。昨年、特別支援学校で初めて都高野連に加盟し、3校の連合チームを組んで初出場した。今大会は単独チームとして臨む。特別支援学校として単独出場するのは全国初という。
真新しいプラカードを持ち、緊張した表情で行進した主将の白子悠樹(3年)は、高校に入ってから野球を始めたばかり。最初は球を捕ることすらできず、キャッチボールが続かない。でも、あきらめなかった。昨夏、走塁コーチとしてグラウンドに立ち、「自分はできるんだっていう自信がついた」。
これまでは百人一首や水泳、空手など「個人競技」をやっていた。応援の声、グラウンドに立った景色、仲間の楽しそうな表情……。全部がうれしい。みんなと野球をやっているという実感がわくからだという。
みんなで同じユニホームを着てプレーできるこの夏は、なおさらだろう。「楽しみな気持ちと、不安もちょっと。僕たちのプレーで、あきらめかけていた子たちを勇気づけられればいいな」
それぞれの思いで挑む106回目の夏は、7日から熱戦が始まる。みんなが悔いのない夏を過ごせますように――。そんな願いをこめて。(野田枝里子)
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