高齢運転者の免許返納が増加、地域の交通手段確保が課題に

警察庁のまとめによると、75歳以上の運転免許保有者による免許返納の件数が年々増加しており、交通事故防止に向けた意識の高まりが背景にある。免許返納には、手続きの簡素化や自治体による支援制度の拡充が寄与しており、返納後の日常生活に必要な交通手段の確保が新たな課題となっている。

免許を返納すると買い物や病院通院が困難になるケースが少なくなく、地方では「買い物難民」の問題とも重なる。こうした課題に対し、各自治体ではデマンド型交通の導入や、既存バス路線の利用促進を進めている。例えば、配車アプリを活用した乗合タクシーや、スーパーまでの送迎バスの運行を始める自治体が増えており、利用者からは「足が確保されて安心して免許を返納できた」という声が寄せられている。

国土交通省は、地域公共交通の活性化に向けた支援策を拡充し、バス事業者への燃料費補助や、路線バスのバリアフリー化への助成を強化している。さらに、MaaS(マース)の実証実験では、複数の交通手段をワンストップで予約できるシステムの開発が進み、高齢者の利用しやすさを重視したインターフェースの検証も行われている。専門家は「交通手段の安心感があってこそ、免許返納が進む。継続的な予算と地域の取り組みが不可欠だ」と指摘する。

一方、認知機能検査の結果に基づく免許の条件付き更新制度についても、制度の周知と運用のあり方が議論されている。高齢者の家族や医療機関と行政が連携し、本人の生活状況に応じた支援につなげる体制づくりが求められている。自治体の担当者は「免許返納は個人の決断。それを支える地域の交通網を、国と自治体で役割分担しながら整備していきたい」と話している。

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ソース:毎日新聞
画像:毎日新聞

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