去年、大量に死ぬ被害に見舞われた広島特産の養殖かきは、例年よりおよそ1か月遅れて、11月2日から今季の水揚げが始まりました。広島湾で育つ養殖かきは日本有数のブランドとして知られ、県内の漁業関係者や出荷業者は、厳しいシーズンを乗り越えての再出発に期待と不安が交錯する状況です。
去年の被害は異常気象による海水温の上昇に加え、広島湾内の溶存酸素濃度が低下したことが原因とみられています。県は9月に「厳戒アラート」を初めて発出し、養殖業者に対して酸素供給装置の稼働やイカダへの巡视を求めてきました。また、県が行ったサンプル調査では、検体の約7割が死亡した地点もあったことが確認されており、関係者の緊張は今季も解けていません。
今季については、春先からの気象条件や湾内の水質状況を踏まえ、業者は苗の投入時期や養殖密度を見直すなどの対策を講じてきました。水揚げが始まった2日には、漁港で作業する養殖業者から「去年の苦労を思えば、無事に水揚げの日を迎えられてほっとしている。ただ、本格化するこれからも油断はできない」との声が聞かれました。出荷先の飲食店や小売業者も、ブランドの風評被害が残っていないか注視しています。
広島県のかき養殖は、江戸時代から続く伝統ある水産業で、県内の沿岸地域の経済を支える基幹産業の一つです。関係団体は、今季の収穫量や品質の動向を注視しながら、出荷体制の強化や消費者への情報発信に取り組む方針です。水揚げは今後本格化し、年末の需要期に向けた安定供給が課題となります。今季の養殖かきの行方は、今後の水質モニタリングの結果にも左右されそうです。


ソース:NHK
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