食品メーカー各社が、小麦粉や食用油、調味料、菓子類などの価格改定を10月以降も続けており、総務省の消費者物価統計でも食料品の上昇が続いている。原材料費や物流費、円安に伴う輸入コストの上昇を背景に、値上げの対象は加工食品にとどまらず、外食や惣菜にも広がっている。世帯の食費への影響が懸念され、家計調査では食料支出の割合が上昇傾向にある。
政府は、物価高からの早期脱却と家計支援に向け、低所得世帯への給付や、電気・ガス料金の負担軽減策の継続を検討している。また、農林水産省では、国内の食料生産基盤の強化に向け、肥料や飼料費の支援、農業の大規模化・省力化への補助を拡充する方針だ。経済財政諮問会議では「構造的なコスト増に対応するため、供給力の強化と生産性向上が不可欠」との指摘が相次いでいる。
小売り業界では、値上げを極力抑えるため、業務用の大容量商品やPB商品の拡充、納品効率化による物流費削減などの工夫が進んでいる。大手スーパーの買い担当者は「メーカーの価格改定の申し出は依然として多いが、消費者の節約志向も強く、価格帯の見直しやセール企画で受け止めていく」と話している。消費者団体からは「実質賃金が上がらない中での追加値上げは、家計を直撃する。事業者への適正な価格転嫁と、消費者への丁寧な説明が必要だ」との声が上がっている。
市場関係者は、今後の物価動向について「原油や穀物の国際価格の動き、円相場の行方が鍵を握る。値上げラッシュが家計消費に与える冷ややかな影響もあり、日銀の金融政策判断にも間接的に響く可能性がある」と分析している。政府は、物価・賃金・消費の動向を注視しながら、必要に応じて追加の対策を講じる考えを示しており、年末の予算編成でも家計支援の枠組みが焦点となる見通しだ。



ソース:日本経済新聞
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