奈良国立博物館で秋恒例の正倉院展が開幕し、聖武天皇が愛用したとされる宝物約60点が公開されている。正倉院の宝物は毎年秋に一度、奈良国立博物館で一斉点検のため公開される伝統行事で、今年は紫檀木画の琵琶や螺鈿の鏡など、工芸史・美術史上貴重な作品が並ぶ。展覧会は例年60万人以上が訪れる人気イベントで、奈良市では紅葉シーズンと重なり、観光客でにぎわっている。
奈良国立博物館によると、今年の展示では、正倉院の建物(校倉造りの宝庫)に収められてきた宝物の保存環境や修理の記録も紹介され、学術的な見どころも充実している。館の関係者は「1300年以上の時を越えて伝わる宝物の技術と美を、ぜひ間近でご覧いただきたい」と話している。入場は日時指定の予約制で、当日券も限定的に販売されるが、週末は混雑が予想される。
奈良市内では、正倉院展の開催に合わせた文化財めぐりも活発化している。世界遺産の東大寺や興福寺では、通常非公開の文化財の秋季特別公開が行われ、古都ならではの秋の風物詩となっている。市観光部門は「博物館と寺院を巡るモデルコースを用意しており、奈良公園の鹿や紅葉と合わせて一日楽しめる」と話している。奈良公園周辺の飲食店では、柿や栗を使った秋のスイーツが登場し、観光客を楽しませている。
交通面では、近鉄奈良駅やJR奈良駅から博物館へのシャトルバスが運行され、徒歩でも20分程度でアクセスできる。市は、ラッシュ時間帯の分散来場を呼びかけているほか、駐車場の混雑に備えた臨時駐車場の案内も公開している。正倉院展の最新の展示内容や入場方法は奈良国立博物館の公式サイトで確認できる。会期は11月中旬までの予定だ。



ソース:朝日新聞
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