フレックスタイム制の導入が拡大、働き方改革で残業削減の動きが定着

厚生労働省の調査によると、フレックスタイム制を導入している企業の割合が拡大しており、働き方改革の浸透とデジタルツールの普及が背景にある。社員が始業・終業時刻を一定の範囲内で調整できる制度は、子育てや介護との両立、通院などプライベートの事情に対応する手段として定着しつつある。人事担当者からは「採用市場でも柔軟な勤務形態は魅力の一つになっている」という声が聞かれる。

フレックスタイム制はコアタイムの有無や清算期間の設定など、企業ごとにバリエーションがある。導入に当たっては、打ち合わせや引き継ぎの時間帯をどう調整するか、業務の属人化を防ぐ仕組みづくりが課題となる。労務管理システムの導入や、テレワークとの併用で効果を高める企業も多い。社会保険労務士は「制度の説明責任と、管理職の意識改革が不可欠。導入後の定着を左右する」と指摘する。

政府は、2024年度からの月60時間超の残業に対する割増賃金率の引き上げなど、長時間労働の抑制策を段階的に強化している。こうした規制の強化を受け、製造業やサービス業でも生産性向上の取り組みが活発化しており、業務の効率化と働き方の多様化が両輪で進む状況が生まれている。経団連の関係者は「生産性を高めながら、社員の意欲と健康を両立させる経営が問われている」と話す。

一方で、フレックスタイム制の下でも実態として長時間労働が続くケースや、時間外労働の把握が難しくなる課題も指摘されている。労働基準監督署は、適正な労務管理のための指導を強化しており、中小企業向けの助成金や専門家派遣の相談窓口も拡充されている。働き方に関する研究者は「制度を導入しただけでなく、成果を測定して改善を続けることが重要だ。社員の声を吸い上げる仕組みを持つことが定着の鍵になる」と語っている。

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ソース:毎日新聞
画像:毎日新聞

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